立川高島屋S.C.、14日に改装オープン 全館を専門店化
東神開発は14日、立川高島屋S.C.をリニューアルオープンした。改装したのは地下1階、地上1階、3階、10階の屋上部分。ディスカウントスーパー「オーケー」や100円ショップ「セリア」、洋菓子店「シャトレーゼ」、バンダイナムコアミューズメントのエンターテインメント施設など、全16店舗を導入した。ファミリー層を中心とした幅広い世代からの支持を狙う。
立川駅の北側エリアは、「ららぽーと立川立飛」、「イケア立川」、「コトブキヤ立川店」などが並び、20年春には商業施設や緑地が並ぶ街区「グリーンスプリングス」が開いた。施設の充実に呼応して来街者が増加しており「特にファミリー層を中心とした若い方が、都心から来街するようになった」と東神開発SC事業本部首都圏事業部の金子鎌治首都圏事業部長は語る。こうした環境の変化を踏まえ改装を行った。
リニューアルコンセプトは「“立川暮らし”の場」。デイリー性の高い専門店を誘致することで地域住民の生活必需品のニーズに応える。同時に体験型施設や趣味嗜好の集いの場など、様々な新規コンテンツを導入。毎日の生活に欠かせないリアルな場としての価値を創出する。
地下1階は「毎日の生活に欠かせない生活必需品フロア」として、大型スーパーマーケットや食物販店舗が入る。「オーケー」、菓子の専門店「おかしのまちおか」、テイクアウト専門の中華惣菜店「中華旬彩料理 東方紅」、わらび餅専門店「甘味処さびと」、サンドイッチチェーン「サブウェイ」などが並ぶ。地元の食材を取り揃える「わくわく広場」もオープンした。
1階は「暮らしに役立つ生活サポートフロア」として、生活雑貨、飲食、食物販を集積。「セリア」、「シャトレーゼ」、ペットフード・ペット用品の「ペテモ」、ドラッグストア「サンドラッグ」、植物とガーデニング雑貨のセレクトショップ「チュイン グリーナリー」などが開業した。回転寿司の「はま寿司」は来年1月のオープンを予定する。
3階はバンダイナムコアミューズメントによる体験型エンターテインメントのフロアとして、350台以上のクレーンゲームを擁する「namco」、キャラクターくじの「一番くじ公式ショップ」が入居した。
10階の屋上は地域社会との共生・地域の活性化を目指し、地域の人々のコミュニティの場となるゾーンを形成。貸農園「シェア畑 garden」は利用者専用の区画で、年間を通じて10~15種類の野菜や果物を栽培、収穫できる。フリースペース「おにわ -oniwa-」は子供が走り回っても安全なゴムチップ製の床、自由に描ける黒板、多摩産材の木製遊具などを設置。イベントスペースも設け、アート関連や地域交流のイベントの開催を予定する。
さかのぼると同店は18年秋、百貨店と専門店を融合させた新業態への改装を行った。売場面積の約7割に当たる2階、4~9階を専門店化。現在は大型テナントとして4~5階に「ニトリ」、6階に「ジュンク堂書店」、7階に「ユザワヤ」などが入る。
ただ、百貨店部分と専門店部分の回遊が少ないという課題があった。「お客様のニーズに応えるためにも、専門店と親和性の高い業態を導入する方が、館の魅力が出せるのではと考えた」(金子部長)。そのため今年1月に百貨店部分の営業を終了し、改装の準備に入っていた。
テナントの誘致は既存の店舗と親和性の高いカジュアルさ、デイリー性もポイントとして選定。先方から出店のオファーが来たケースもあり、「立川というエリアのポテンシャルを感じた」(金子部長)。テナント誘致や販促計画は、ターゲット層に近い20~30代の社員も中心となって行った。
14日はオープニングイベントとして演奏会やステージショー、キャラクターグリーティングなどを実施。今月はほかにもイベントやキャンペーンを連打し、集客と認知の徹底を図る。金子部長は「1月末からずっと3フロアを閉めていたため、今まで接点の無かったお客様も含めて、これから一気に取り返していきたい」と力を込めた。
(都築いづみ)