西川、4層特殊立体構造マットレスで心身ストレスやPMS緩和
西川は先ごろ、同社の4層特殊立体構造マットレスの使用で睡眠の質が向上し、心身のストレス緩和、更年期症状やPMS(月経前症候群)の一部症状が改善したとの研究結果を発表した。同社の研究機関・日本睡眠科学研究所と、抗加齢医学研究の第一人者である同志社大学大学院生命医科学研究科/アンチエイジングリサーチセンターの米井嘉一教授との共同で検証を実施。適正な寝具の使用が、良質な睡眠を促し、女性特有の症状の緩和に働きかけるとの結果に導いた。
睡眠科学研究所は1984年に設立し、主に機能性寝具を開発してきた。近年では、こうした寝具の使用による心身の変化などの研究に注力する。今回、軽度の更年期症状、PMS、睡眠障害を自覚する45~52歳の女性12人を対象に、4層特殊立体構造マットレス「エアーSX」の使用開始前と使用8週間後に検査を実施した。
項目は「簡略化更年期指数(SMIスコア)」「MDQスコア(月経前症状)」「自覚症状による心身ストレス」「自覚症状による睡眠の質」の4つ。まず、簡略化更年期指数(SMI)スコアでは、更年期症状に対する問診を行ったところ、特に「総合スコア」「寝付きが悪い、または眠りが浅い」「疲れやすい」「肩こり、腰痛、手足の痛みがある」の項目に改善がみられた。特に総合スコアについては、「産婦人科または更年期外来、閉経外来を受診」するレベルから「日常生活に留意が必要」なレベルにまで改善した。
次いで、月経随伴症状(MDQ)スコアでは、PMSに対する問診票の結果において、「日常のトラブル」「勉強や仕事への覇気がなくなる」「自信がなくなる、自分を責める」「頭が痛い」「冷や汗が出る」の症状が改善した。
自覚症状による心身ストレスでは、体や心の症状の問診に用いられる「抗加齢QOL共通問診票」で、「理由なく不安になる」「心配事で眠れない」が改善。健康関連QOLを測定するための科学的で信頼性と妥当性を持つ尺度「SF36v2アキュート版」においては、「活力」「心の健康」「精神的健康を表すサマリースコア」が改善された。
そして自覚症状による睡眠の質も改善。睡眠障害の評価に用いられる「ピッツバーグ睡眠質問票」の結果では、総合得点および睡眠の質が、起床時の睡眠内省を評価する心理尺度「OSA睡眠調査票MA版」の結果では、「起床時眠気」「疲労回復」が、それぞれ改善された。
これらの結果から、良質な寝具の使用により「睡眠の質」を向上させることで、心身のストレスが緩和し、更年期症状およびPMSの一部の症状を有意に緩和したことが示唆された。さらに、適正な寝具の使用が更年期症状のある女性への補助的指導として、有効かつ安全な方法であるとの考察に至った。
米井教授は「今回の試験では、自身に見合った寝具に変えることによって、女性ホルモン分泌に影響がないにもかかわらず、睡眠の質と更年期症状が改善しました。女性の更年期症状をより軽くするためには、快適な睡眠環境を保ち、睡眠の質を高く保つことが大切だとわかりました」としている。
10月17日に行われたセミナーでは、よくある2つの質問とそれに対する共同見解も紹介された。1つ目は「男性の更年期症状にも良いか」で、「女性ホルモンの増加ではなく心身ストレスの改善によるため、ある程度期待できる」という。2つ目は「10~30代の若年層のPMSにも良いか」で、同様に「心身ストレスの軽減による作用で、ある程度期待できる」とのこと。
日本睡眠科学研究所の安藤翠氏は「良質な寝具使用に加えて、眠る前に『入眠儀式』を取り入れ、寝室環境を工夫することで、より心身ストレスが低下し、症状緩和につながる可能性があると考えます。一般的に睡眠状態は年齢に伴い変化し、歳を重ねるごとに睡眠の問題が増えていく傾向にあることから、更年期がご自身の睡眠を見直すターニングポイントとなれば幸いです」とコメントした。
今回の試験品、エアーSXと同じく4層特殊立体構造の「エアーSIマットレス」が10月にリニューアルした。トップ層に好感触・高弾性の「ソムニフォーム」を採用。凹凸構造の点で体を支えながら、血行を妨げにくくする機能も持たせた。ベース層には高硬度の「スーパーハードフォーム」を採用し、寝姿勢の安定と、底つき感の軽減を実現。特殊立体クロススリット構造を改良し、2つのサスペンションレイヤーを設け、仰向け寝時と横向き寝時のクッション性を向上させた。
西川は、こうした高機能寝具の開発とともに、健康をサポートする研究活動を推進していく。
(中林桂子)