高島屋柏店、雑貨・ゴルフ・子供服を改装 次世代層獲得へ
今秋、高島屋柏店はリニューアルを行った。柏駅とつながる本館3階にはシーズン雑貨やコスメなどの編集売場を新設。S館6階ではベビー売場をリニューアルし、本館6階にはゴルフブランドを集めた新ゾーンも形成した。いずれの売場も、若年層や子育てファミリーなどの取り込みを狙いとしている。
同店が核店舗として入る柏高島屋ステーションモールは、本館・S館・新館の3館で構成。高島屋柏店が本館とS館の一部に、専門店が新館とS館の一部に入り、専門店は東神開発が運営する。今回の改装は柏高島屋ステーションモールの改装計画の一環で、百貨店部分の一部を専門店に渡し、百貨店機能を集約・効率化している。
本館3階には、雑貨の自主編集売場が誕生した。「イイナ」(韓国コスメ)、「ミラー ハリス」(フレグランス)、「ヒポポタマス」(オーガニックタオル)を導入し、以前の売場にあったシーズン雑貨も展開する。商品展開は季節や歳時記に応じて入れ替える。イベントスペースも新設した。
既存顧客に加えて次世代層の獲得を狙いとしており、若手バイヤーが仕入れやVMDを手掛ける。新客を取り込むため、価格帯も値頃感を意識した。
見せ方や商品のセレクトは以前と大きく変え、取り扱う商品の数を絞り、1つ1つを際立たせるようにした。通路などのスペースも広く取り、ゆとりのある空間を形成。「当店は3階が柏駅と直結しており、グランドフロアにあたる。通行の多いこの場所で、感度の高さや鮮度を出していきたい」と担当者は説明する。イベントスペースも若手社員が企画を手掛ける。
S館6階の子供服売場は「シンクシンク」(知育ゲーム)、「マールマール」(ベビー雑貨)、「ショパン」(セレモニー向け子供服)、「エイデン&アネイ」(ベビー雑貨)を導入。加えてベビーカーや抱っこ紐、ギフト好適品などを拡充した。
出産準備から出産後、入卒まで幅広くサポートする品揃えで、中でもオケージョンやギフト、知育といった百貨店が得意とする分野を強化した。柏市や流山市は子育て世代が多く住むエリアで、同店にも利用客から要望が寄せられていたという。
本館6階には、ゴルフブランドを集めた新ゾーンを設けた。ゴルフブランドはS館1階で展開していたが、専門店に渡したため移設。新ブランドとして「マッチアップ」、「ランバン スポール」も加えた。ゴルフも若年層からの人気が高く、女性の割合も高いことから、本館6階への新客流入を期待する。
隣接する紳士雑貨売場も「ファイブウッズ」、「エルゴポック」、「カルメレンゴ」など、トレンドやこだわりのあるバッグやシューズを導入。趣味性の高いアイテムのポップアップも行い、遊び要素と変化のある売場にする。
11月2日には、高島屋柏店は50周年を迎えた。当日の開店時には和太鼓のパフォーマンスなど特別なセレモニーを実施。多くの人が集まり盛況となった。同店は郊外のショッピングモールや都心のショップなど競合となる施設は多いが、長年の歴史と信頼を強みとして持つ。商圏のポテンシャルも高く、改装を弾みとした再成長に期待ができそうだ。
(都築いづみ)