オンワードHD、国内アパレルがけん引し増収大幅増益に
オンワードホールディングスの2024年2月期第2四半期(3~8月)連結業績は、国内のアパレル事業がけん引した売上高が2桁増を計上し、粗利益率の上昇と販管費率の低下によって営業利益、経常利益、当期純利益がいずれも大幅な増益を遂げた。通期業績も増収大幅増益を予想しており、営業利益は2012年度以来、11期ぶりに100億円を超え、経常利益は前期比1.9倍の100億円、当期純利益は1.8倍の55億円を見込んでいる。
第2四半期連結業績は、売上高904億1100万円、前期比10.0%増、営業利益50億2200万円、同26倍、経常利益44億1200万円、同574.1%増、当期純利益28億6200万円、同501.1%増。
売上高は主力の国内アパレルがけん引し、10.4%増(659億円)。販路別ではリアル店舗(百貨店、SC他)が2桁伸長(10.6%増、540億円)し、構成比は70.5%まで上昇。このうちオンワード樫山のリアル販路は12.9%増(370億円)となり、百貨店は10.9%増(199億円)、SC他が15.3%増(171億円)だった。一方のECは7.7%増(225億円)で、このうち自社ECは7.8%増となり、自社比率は86%の高水準を維持した。
こうした結果、オンワードグループ国内の販路別売上高構成比は、百貨店が32%、SC他が38%、ECが30%となった。オンワード樫山に限ると百貨店39%、SC他33%、EC28%で、コロナ禍前の18年度と比べると、百貨店が27ポイントも下降した一方で、SC他が13ポイント、ECが14ポイント、それぞれ上昇した。
ブランド別売上高では、創設30周年を迎えた基幹ブランドの「23区」が2割伸長し、オーダースーツブランド「カシヤマ」(19.2%増)、「アンフィーロ」(1.7倍)などが好調だった。ブランド複合型店舗「オンワード・クローゼットセレクト」は展開数を拡大し、34%も伸びた。加えてOMOサービス「クリック&トライ」の導入店舗は前期末から50店舗増の360店舗まで増え、半数超まで拡大。同サービスの導入店舗(既存)の第2四半期売上高はコロナ禍前の19年を13%上回った。
連結営業利益の大幅増益は、粗利益率が前期の54.4%から56.6%に改善したうえ、販管費率も54.2%から51.0%に低下したため。粗利益の増加はオンワード樫山の増収が寄与しており、粗利益率も59.0%から60.6%に改善した。営業利益率は前期の0.2%から5.6%まで回復した。
通期業績予想は、上期業績が直近の予想を上回って推移しため上方修正した。売上高が前期比7.5%増の1892億円、営業利益は2.1倍の110億円を見込んでいる。引き続き国内アパレルがけん引する想定で、計画通りならば営業利益率は12年度以降、過去最高の5.8%になる。
(羽根浩之)