2024年11月22日

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キリンビール、酒税改正に向け新商品を投入

「SPRING VALLEY JAPAN ALE<香>」(左)と「キリン一番搾り やわらか仕立て(期間限定)」(右)

キリンビールは今秋、10月の酒税改正を踏まえ、新商品を投入して攻勢を掛ける。ビールカテゴリーは減税となるため、需要が高まると判断した。基幹ブランドである「一番搾り」では10月10日に「やわらか仕立て(期間限定)」、11月7日に「とれたてホップ生ビール(期間限定)」を発売。クラフトビールブランド「スプリングバレー」では「JAPAN ALE<香>」を通年商品として10月24日に発売する。

「やわらか仕立て(期間限定)」は通常使用する大麦麦芽に加えて、小麦麦芽を使用するのが特徴。小麦の柔らかな甘みとうま味が感じられ、軽やかなで飲みやすい後口となっている。特徴的な香りのホップを使用しているため、爽やかでフルーティーな香りも楽しめる。

同商品の発売について、山田雄一執行役員マーケティング部長は「肩肘張らずに楽しめる、飲みやすい味わいへのニーズが高まっている。ビール好きの方はもちろん、あまり飲んでいなかった方にも楽しんでいただき、ビールの裾野を広げていきたい」と説明する。

「とれたてホップ生ビール(期間限定)」は、ホップの産地である岩手県遠野市で収穫したばかりの生ホップを使用する。とれたてのホップのおいしさが感じられる、調和の取れた飲みやすい味わい。

キリンビールと遠野市は1963年にホップの契約栽培を始め、今年で60周年を迎える。同社はクラフトブルーワリーへのホップの外販も進めており、16年から22年までに約7倍、累計83ブルーワリーへと外販先を増やした。自社開発の日本産ホップ品種「ムラカミセブン」も段階的に栽培を拡大しており、日本産ホップの安定調達と生産地域の活性化に貢献していく意向。

「JAPAN ALE<香>」は、爽やかな柑橘のような香りが特長。海外産ホップに加え、同社が品種開発した日本産ホップのムラカミセブン、「イブキ」を使用した。華やかな香りが感じられる海外ホップと、イチジクやミカン、マスカットのような爽やかな香りの日本産ホップを組み合わせ、双方の良いところを引き出し調和させている。

今下期(6~12月)の販売数量は、一番搾りブランド計で前年比3.5%増、スプリングバレーブランド計で同36.5%増を目指す。山田氏は「今までの延長線上ではなく、目まぐるしい環境変化の中でお客様のインサイトを捉え、新たな提案を続けていきたい」と意気込みを述べた。

(都築いづみ)