ルックの「イル ビゾンテ」から初のスマホショルダー、秋冬の目玉に
ルックの「IL BISONTE(イル ビゾンテ)」は8月、ブランド初となるスマートフォンショルダーを発売する。ベジタブルタンニンでなめしたイタリアのバケッタレザーを使用し、デザインやディテールにこだわると同時に、使いやすさも重視。価格は3万1900円で、今秋冬シーズンの目玉商品として投入する。今シーズンは加えて、過去に発売した人気商品の復刻や、冬のギフトシーズンに訴求する服飾雑貨も充実。話題を呼ぶMD戦略で、今秋冬はブランド人気をさらに盤石にする狙い。
同ブランドでは「スマートフォンも入れられる小さなバッグ」はあったものの、スマートフォン専用のバッグはこれまでなかった。キャッシュレス化の波を受け、顧客からの要望は多かったが「製作を始めた当初はチープな印象(のデザイン)になってしまった」(担当者)。トレンドのアイテムであるだけに、客の期待やブランド価値に見合う商品設計に専心し、3月の展示会では販売員や卸業者から高評価を得るに至った。
イタリア製の上質なオリジナルレザーを使用し、デザインのディテールはもちろん、スマートフォンの出し入れのしやすさも追求した。バッグ胴体の表面はスマートフォンの形に沿う緩やかな曲面のマチを施し、裏面にはカードが収納できるポケットを搭載した。長さ調節可能なショルダーは、同ブランドのサコッシュなどと同じ丸紐にはせず、“高見え”するようベルトにして両面を革の表地で仕上げた。バッグの口部分は、キャッシュレス決済時などに「ファスナーがあるとワンアクション必要で面倒」といった客の声を反映し、あえてオープンな仕様にした。
カラーはオリジナルレザーの12色を用意。「NATURAL(ヌメ)」、「GRAY」、「RUST BROWN(赤茶)」、「BROWN(こげ茶)」、「RED」、「BLACK」、「WHITE」、「NAVY」、「CARAMEL」、「ORANGE」、「OLIVE」、「GREEN」となる。
バッグのコンパクト化が進むと同時に、財布もサイズダウンや薄型の傾向にある。担当者は「新しく企画する財布は基本的には薄手で軽量なもの」と話す。小銭入れは不要だという顧客ニーズも増え、カードと紙幣のみを収納するマネークリップの付いた財布(2万3100円)や、表と裏の両側がカード入れのみのタイプ(1万5400円)なども揃える。
そのほか、過去に人気だったデザインを4年ぶりにアップデートした復刻商品が10月に登場。ブランド名のアルファベットのロゴを散りばめた「ロゴ プリンテッド レザー」シリーズで、バッグや財布、キーケースなどを発売する。内側はヌメ革にして、経年変化も楽しめるようにした。
ギフト需要の上がる11~12月に向けて、帽子やストール、グローブなどの服飾雑貨も充実。ライセンスメーカーと協業し、春夏よりも約3倍のSKUを揃える。ブランド売上げの9割を占めるオリジナルレザーの商品だけでは、売場の見え方が通年変わらないといった問題もあるため、シーズンMDにも注力する。
(中林桂子)