2024年11月22日

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ハンズ、新宿店を新装オープン 8階に「カインズ」の初都心店

新生・ハンズ新宿店は6月29日にオープン

ハンズは29日、タカシマヤタイムズスクエアに構える新宿店をリニューアルオープンした。2~8階の売場からロゴ、看板までを一新し、各階の品揃えやテーマを明確化するとともに、8階には「カインズ」を誘致。カインズにとって初の都心店で、約950㎡と通常の店舗より面積が小さいため、「ピカピカを極める」や「スッキリ整える」などコンセプトを絞って商品を取り扱う。カインズは昨年3月にハンズを子会社化しており、ハンズがフラグシップショップと位置付ける新宿店で、初の同居が実現した。

28日の記者発表会では、ハンズ会長兼カインズ社長の高家正行氏(中央)、ハンズ新宿店の後藤千夏店長(右)、カインズ ハンズ新宿店の曽根佑司店長が登壇し、品揃えの特徴などを説明した

2階は「ちょっと先の流行、驚き、出会いがココに。」、「季節を楽しみながら暮らす。」として、メッセージカードやラッピング用品、バッグ、財布、レイングッズ、切り花などを集積。メッセージカードは約2000種類、ラッピング用品ではバルーンが約250種類と豊富で、生花も初めて取り扱う。入口付近はイベントスペースで、8月27日までは「BOTTO(没頭)」をキーワードに、「マインドフルネス」や「瞑想」に照準を合わせ、シンギングボウルやヨガグッズ、関連書籍、メディテーションポットなどを打ち出す。メディテーションポットは体験も可能だ。

2階の入口付近のイベントスペースでは「BOTTO(没頭)」をテーマに、ヨガグッズやメディテーションポットなどを訴求

3階は「なりたい自分になる。」をテーマに、主に化粧品を揃える。自由に試せるテスターバーやポップアップスペースを新設。ポップアップスペースでは29日から、中国のトップコスメブランド「パーフェクトダイアリー」を販売する。

4階は「お気に入りに出会う、見つかる。」と位置付け、文房具を取り扱う。3階と同様、「試せる」を重視し、筆記具と紙の相性を確認できるスペースを設けた。

5階は「趣味をとことん楽しむ。」として、バラエティグッズや旅行用品、モバイル、ホビークラフト、グリーン、ペット用品などを展開。電子工作キットや3Dウッドパズルなどを使って遊びながら学べるコーナー、電動モビリティやエアテント、プロジェクターなどを体験できるコーナーもある。

6階は「私らしくDIY。」で、物づくりのための素材が充実。初めて設けた「HANDS DO」では毎日ワークショップを開き、来店や買上げのきっかけをつくる。ワークショップはハンズとカインズの両方が担い、コラボレーションも行う。約1万種類の木材やアクリル、ネジなどが並ぶ「素材の森」と題した場所も擁し、加工工房を併設。DIYをサポートする。

「HANDS DO」ではワークショップを毎日実施する

7階は「ひと手間かける毎日。」と題し、キッチン用品やバス用品、トイレタリー、掃除道具、寝具などをラインナップ。約300種類の包丁を販売するコーナーも新設した。同コーナーでは、包丁を研ぐサービスも提供する。

約300種類の包丁を販売するコーナーも新設。同コーナーでは、包丁を研ぐサービスも提供する

8階には「カインズ ハンズ新宿店」がオープン。主に掃除道具や洗濯道具などを揃える「ピカピカを極める」、主に食器や収納道具などを扱う「スッキリ整える」、主に寝具などを提案する「スヤスヤを叶える」、季節や暮らしをテーマに編集する「妄想ラボ」の4つのエリアからなる。ハンズとカインズの商品は同じレジで決済できないが、27日には相互のポイントの交換がスタート。利便性は高い。

季節や暮らしをテーマに編集する「妄想ラボ」では、「もしも家がジャングルだったら」を展開中

新装オープンに先駆けて、28日には記者発表会を実施した。ハンズの会長とカインズの社長を兼務する高家正行氏は「販売する商品は一から見直し、カテゴリーに強弱を付けて売場を再編集した。フラッグシップショップならではの“とがり”や驚きも盛り込んだ。サービスも強化し、名入れやメンテナンス、ギフトなどで毎日の暮らしをお客様と一緒につくっていく。ハンズの強みである接客も、より強くした」と概要を説明。「カインズとハンズが同じ館に入り、『DIY文化の共創』への第一歩となる。お客様に体験してほしい」と力を込めた。

ハンズは2023年度(23年4月~24年3月)に各店の改装を推し進め、24年度には新規出店に着手する方針だ。今後もハンズにカインズが入るかどうかは未定で、高家氏は「(テーマ別編集という新機軸のカインズが)どうお客様に伝わるか。まずは検証し、フィードバックを得たい」と述べた。

(野間智朗)