大丸松坂屋百貨店、生ごみを堆肥に循環する取り組み 協定締結で促進
大丸松坂屋百貨店は28日、「生ごみをごみとして処理しない!」をテーマに、台東区、ローカルフードサイクリングと協定を締結した。台東区における生ごみの減量と、生ごみを堆肥に循環させるコンポストの利用を促進し、「循環型ライフスタイルへの転換」を目指す。台東エリアにおける地域連携事業を強化し、持続可能な社会とウェルビーイングを実現すべく、3者による取り組みを推し進める。
大丸松坂屋百貨店は「世の中に本当に必要とされ定番となっていくモノやコトを見極め、提供していける百貨店」を目指し、2017年に台東区・谷中に未来定番研究所を設置。企業やクリエイターとコラボレーションし、上野御徒町エリアの活性化に寄与するイベントやプロジェクトを精力的に実施してきた。
22年6月に食の資源循環や地域コミュニティの形成を目指し、ローカルフードサイクリングが販売する「LFCコンポスト」を使用したコンポスト講座や堆肥の回収会を開始。LFCコンポストは、都会のベランダでも快適な堆肥づくりができるよう開発されたもので、こうしたイベントにより地域で資源として活用される新たな栄養循環を生む機会創出につなげた。
今回の協定の主な内容は、「台東区から排出される生ごみの減量の促進に関すること」、「循環型ライフスタイルへの転換に向けた取り組みの普及・啓発などに関すること」、「環境教育に関すること」、「初めてのコンポスト講座・ワークショップ・啓発イベントの開催」、「堆肥回収の実施」の5つ。
3者それぞれの具体的な役割は、大丸松坂屋百貨店が「循環型ライフスタイルの提案(周知啓発・堆肥回収の実施)」。台東区が「循環型ライフスタイルへの転換の推進(生ごみ減量対策の普及・コンポストの利用促進)」で、ローカルフードサイクリングが「循環型ライフスタイルの推進(生ごみ減量対策の普及・コンポストに関する技術提供など)」となる。
台東区役所で行われた締結式に出席した大丸松坂屋百貨店の澤田太郎代表取締役社長は「250年間お世話になっているこの地で、未来に向けたサステナブルな取り組みに参加させていただけることは光栄です」と挨拶。服部征夫台東区長は「皆様の専門的な知見やノウハウ、情報発信力などを生かして、連携・協力の下、生ごみをごみとして処理しない循環型ライフスタイルへの転換を進めていきたいと思います」と述べた。ローカルフードサイクリングの平由以子代表取締役からは「地球温暖化の課題に対し、身近な食の観点から、これまでの専門性と実績を生かして区民が楽しくコンポストに取り組めるように、普及と継続支援に尽力します」と決意を語った。