2023年3月 東京・大阪地区百貨店売上高
19カ月連続プラス、気温上昇で薄手のカーディガンや半袖商材が良好
日本百貨店協会の調査によれば、東京地区百貨店(12社・22店)の3月売上高は1380億円余で、前年比(店舗調整後)は12.6%増と19カ月連続でプラス。入店客数は13.8%と売上高と共に2桁増を持続した。同協会は「前年のまん延長防止等重点措置の反動のほか、外出機会の増加や卒入学などオケージョン需要の回復、気温の上昇といった好条件に加えて、各社の組織顧客向け施策や物産催事などが好調に推移し、高額商品の継続伸長が売上げ増加に寄与した」と総括した。コロナ禍前との比較では、2019年比が2.8%減。前月と同様に僅かに届かなかった。
3カ月移動平均値は、直近の1~3月が17.2%増、12~2月が14.6%増、11~1月が11.0%増、10~12月が10.3%増、9~11月が16.2%増、8~10月が26.3%増。昨年8月~10月は20%台、以降の伸び率は10%台だが、同12月~今年2月、今年1月~3月と勢いが増している。
商品別では、主要5品目全てプラスとなった。主力の衣料品は18カ月連続のプラスとなる15.4%増。卒入学・新生活需要で紳士・婦人共にビジネスやフォーマル品が好調に推移し、特に婦人服ではブラウスやパンツ、スカートなどが伸長した。また、気温の上昇から薄手のカーディガンや軽めのアウター、半袖商材なども好況だった。
身回り品は、ラグジュアリーブランドを中心に23.0%増で19カ月連続のプラスが続き、3つの開運日が重なった日は特に財布が大きく伸びた。旅行需要も活況で、旅行バッグは前月同様に売れ行きが好調。16.4%増で同じく19カ月連続プラスの雑貨は、時計が一部在庫不足になるなど、インバウンドの高額品需要の強さで好調を維持している。化粧品はベースメイクやメイクアイテム、UVケアの商材が大きく回復しインバウンド需要が戻りつつある。
食料品は19カ月連続のプラスとなる0.1%増で、人が集まる機会の増加から手土産や慶祝需要で菓子が好調だった。花見の解禁で弁当やオードブル、和洋酒なども堅調だった。
(北田幹太)