2024年11月25日

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外出需要で春物衣料雑貨が良好

大手百貨店4社の3月売上高は、全て前年比でプラスとなった。伸び率が高い順は阪急阪神百貨店は20.7%増、大丸松坂屋百貨店は16.7%増、三越伊勢丹は14.8%増、高島屋は5.9%増。春のオケージョン需要により、ジャケットやブラウスなどが盛況で、ラグジュアリーブランドも好調を維持した。

三越伊勢丹は、法人外商事業やEC事業、小型店舗を含む伊勢丹新宿本店、同じく三越日本橋本店、三越銀座店、伊勢丹立川店、伊勢丹浦和店の合計が19.1%増、地域事業会社の合計が7.8%増、全体で14.8%増。同社によれば「引き続き高付加価値な商品への購買意欲が高く、時計・宝飾・ハンドバッグ・財布に加え、セレモニーなどの需要により、ブラウスや婦人靴などへの関心が高かった。また、独自性のある催事やイベントも売上げを押し上げる要因につながった」という。

商品別では、サービス(0.4%減)、家具インテリア(2.3%減)、呉服寝具他(4.2%減)、子供服・洋品(4.9%減)、家電(24.9%減)を除いて全てプラスだった。

大丸松坂屋百貨店は、直営店の合計が18.1%増、法人・本社等が0.6%減、関係百貨店の博多大丸と高知大丸を含めた百貨店事業の合計が16.7%増と先月に引き続き2桁増と好調だ。前年比では東京店(37.5%増)が盛況を呈した。入店客数は百貨店事業合計が24.8%増だった。

商品別では紳士服・洋品(1.4%減)を除いて全てプラス。オケージョン需要により、 婦人服・洋品はジャケットやブラウスなどの売れ行きが良く、ラグジュアリーブランドも好調を持続した。紳士服・洋品は品番改定の影響でマイナスとなった。身の回り品では、旅行やインバウンド需要などによりキャリーケースやスーツケースが大きく伸長した。雑貨では、化粧品のメイクアップアイテムを中心に売上げを伸ばし、美術・宝飾品も好調を継続した。食料品では、ホワイトデーや行楽需要で菓子や惣菜の売れ行きが好調だった。

高島屋の6.1%増には法人事業(19.6%減)やクロスメディア事業(19.7%減)が含まれており、それらを除くと5.9%増。店舗別では、堺店(0.9%減)、大宮店(6.3%減)を除いて全ての店舗がプラス。中でも、京都店(14.3%増)、大阪店(15.2%増)、新宿店(21.5%増)は2桁増だった。依然としてラグジュアリーブランドや高額商品が好調を維持し、春物衣料雑貨にも動きがみえた。免税売上高の押し上げ効果もあり前年を上回った。免税売上高は276.5%増と前年よりも急増し、コロナ禍前の19年比では39.1%減。入店客数は3.6%増と引き続きプラスを維持している。

商品別では、メインカテゴリーの衣料品(12.8%増)、身の回り品(14.3%増)、食堂・喫茶(19.6%増)は2桁増のプラス。一方で、食料品(7.6%減)は2カ月連続でマイナスと低迷した。しかし、家庭用品の家具(11.0%増)、家電(15.6%増)やその他(3.7%増)などは前月からプラスに回復している。

阪急阪神百貨店は、阪急うめだ本店が14.8%増、阪神梅田本店が79.9%増、支店の合計が14.7%増、全店合計が20.7%増。支店では阪神・にしのみや(3.1%減)、阪神・御影(5.5%減)、宝塚阪急(8.5%減)を除き全てプラス。中でも阪急メンズ東京(17.8%増)、高槻阪急(18.5%増)、博多阪急(21.1%増)、神戸阪急(33.6%増)が2桁増だった。入店客数は全店計で22.5%増。

商品別は、家庭用品(2.3%減)、その他衣料(12.0%減)を除いて全てプラス。中でもその他(43.9%増)の伸びが目立つ。サービス(20.9%増)、身の回り品(28.2%増)、食堂・喫茶(38.0%増)と続き、衣料品では婦人服・洋品(20.7%増)が最も伸びた。

(北田幹太)