2024年11月22日

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高額商品と春物衣料が好調

大手百貨店4社の2月売上高は、全て前年比で2桁のプラスとなった。伸び率が高い順は阪急阪神百貨店は31.0%増、三越伊勢丹は28.4%増、大丸松坂屋百貨店は26.4%増、高島屋は13.2%増。バレンタインなどの催事イベントが大きく伸び、ラグジュアリーブランドも好調を維持した。

三越伊勢丹は、法人外商事業やEC事業、小型店舗を含む伊勢丹新宿本店、同じく三越日本橋本店、三越銀座店、伊勢丹立川店、伊勢丹浦和店の合計が32.3%増、地域事業会社の合計が21.8%増、全体で28.4%増。同社によれば「引き続き高付加価値な商品への購買意欲が高く、時計・宝飾・ハンドバッグに加え、ラグジュアリーブランドの春物衣料も好調に推移している。また、外外商顧客向けのイベントやバレンタイン催事も前年を大きく超え、売上げを押し上げた」という。

商品別では、家具インテリア(1.9%減)、家電(10.4%減)を除いて全てプラス。中でも、食堂・喫茶(63.8%増)の伸びが目立つ。

大丸松坂屋百貨店は、直営店の合計が28.6%増(既存店は28.6%増)、法人・本社等が0.6%減、関係百貨店の博多大丸と高知大丸を含めた百貨店事業の合計が26.4%増(既存店は26.4%増)と先月に引き続き2桁増と好調な中、法人・本社等はマイナスだった。前年比では東京店(58.5%増)が大きくけん引した。入店客数は百貨店事業合計が43.4%増(既存店は43.4%増)だった。

商品別ではその他(8.9%減)を除いて全てプラス。 婦人服・洋品はジャケット、コートなど実需商品の売れ行きが良く、ラグジュアリーブランドも好調を維持した。身の回り品では、手袋やマフラーなど防寒具の動きが鈍かったものの、ハンドバッグ、アクセサリーが順調に推移した。雑貨では、美術宝飾品が好調を持続し、化粧品ではメイクアップブランドを中心に回復傾向がみられた。食料品では、バレンタイン商戦が店頭を中心に売上げを伸ばし、神戸店で実施した北海道展も好評だったという。

高島屋の13.4%増には法人事業(23.3%減)やクロスメディア事業(9.8%減)が含まれており、それらを除くと13.2%増。店舗別では全ての店舗がプラスで大宮店(5.8%増)、堺店(8.3%増)、泉北店(8.3%増)、岡山高島屋店(8.9%増)を除く店舗は2桁増だった。前年度のまん延防止等重点措置の反動に加え、ラグジュアリーブランドをはじめとする高額品やインバウンドの売上高が好調を維持したことにより、前年を上回った。免税売上げは243.6%増と前年から急増し、コロナ禍前の19年比でも99.3%増。ほぼコロナ禍前の水準に達した。入店客数は14.2%増と引き続き2桁増を持続した。

商品別では、食料品(1.1%減)、家電(7.4%減)、家具(9.8%減)を除いて全てプラス。雑貨(13.8%増)、身のまわり品(23.1%増)、衣料品(30.4%増)、食堂・喫茶(38.5%増)が2桁増だった。食料品の中でも生鮮食品(8.0%減)、惣菜(4.0%減)が先月からマイナスに転じている。

阪急阪神百貨店は、阪急うめだ本店が31.0%増、阪神梅田本店が76.1%増、支店の合計が22.2%増、全店合計が31.0%増。支店では都筑阪急(2.1%減)、阪神・にしのみや(4.1%減)、阪神・御影(0.8%減)を除き全てプラス。中でも西宮阪急(11.5%増)、高槻阪急(21.9%増)、神戸阪急(36.3%増)、阪急メンズ東京(30.6%増)、博多阪急(40.0%増)が2桁増だった。入店客数は全店計で40.0%増。

商品別は、全てのカテゴリーで2桁増のプラス。中でもサービス(106.1%増)が大きく伸ばした。その他(31.7%増)、身の回り品(42.0%増)、食堂・喫茶(73.4%増)と続き全体的に先月より売上げが増加している。衣料品では婦人服・洋品(36.3%増)が最も伸びた。

(北田幹太)