近鉄百貨店、橿原店を第3期新装オープン
近鉄百貨店は15日、全館改装を推し進める橿原店の1階に、ハンズとの協業で運営する売場「Plugs Market(プラグス マーケット)」を開く。奈良県の産品を扱う「大和の食卓」やイベントスペースからなる「伝え場」、ハンズの商品を揃える「モノの場」、テナントを誘致する「話し場」で構成。奈良県の魅力を発信するとともに、ハンズならではの豊富な品揃えで、新客の開拓や既存顧客との接点の拡大につなげる。同日には「全館まるごと奈良フェア」も開催。全館が連携して“スタートダッシュ”を目指す。
売場の「シンボルゾーン」(同社)と位置付けるのが伝え場。大和の食卓では、嶋田味噌の味噌、三木食品の豆腐、むろうはちみつの蜂蜜、王隠堂農園の梅干しなど奈良県の隠れた地場産品を打ち出し、イベントスペースでは1~2週間単位で内容を切り替える。例えば15~21日は「感じる大和まほろば!春爛漫フェア」と題し、花井商店の面皮細工や染織工房空蝉のストールなど「地元素材に職人の技を加えた逸品を取り揃え、春を感じる売場を演出する」(同社)。
モノの場は「ヘルス&ビューティ」、「ステーショナリー」、「ハウスウエア」をメインに、「モバイル」、「ウエザー」、「防災用品」、「インテリア」などのカテゴリーを展開。SKUは約1万8000に上り、伝え場と同様に地元の商品も提案する。
話し場には13日に「オンデーズ」が登場。近鉄百貨店がフランチャイズ形式で運営する。
15~28日には、全館まるごと奈良フェアを実施。3階にサッカーJ3の奈良クラブのPRブースを構えたり、5階で「奈良の創作陶器展」(15~21日)を行ったり、6階で「奈良の手しごと&工芸作家作品展」(同)を開いたり、各階で奈良県にフォーカスしてその魅力を伝える。
近鉄百貨店は、同店を「地域共創型タウンセンター化」する方針だ。昨年11月23日から段階的にリニューアルしており、今回が第3期に当たる。今後も大型専門店の誘致などを検討中だ。地域共創型を掲げる一環として行政との連携も強化し、21年5月には橿原市と「包括的連携に関する協定」を、今年2月には十津川村と「地域創生の相互連携に関する協定」を締結した。