2023年1月 東京・大阪地区百貨店売上高
17カ月連続プラス、初商やインバウンドで大幅増
日本百貨店協会の調査によれば、東京地区百貨店(12社・23店)の1月売上高は1268億円余で、前年比(店舗調整後)は19.6%増と17カ月連続でプラス。入店客数は14.2%と売上高とともに2桁増となった。同協会は「前年のまん延防止等重点措置の反動に加え、天候与件や高額品の高伸長、初商の好調などで大幅に増加した」と総括した。コロナ禍前との比較では、消費増税の反動が残る2020年比が1.9%減、19年比では4.2%減と、着実に回復傾向を示している。
3カ月移動平均値は、直近の11~1月が11.0%増、10~12月が10.3%増、9~11月が16.2%増、8~10月が26.3%増、7~9月が26.5%増、6~8月が21.6%増。依然として2桁のプラス基調が続く。
商品別では、主要5品目全てが2桁増となった。主力の衣料品は16カ月連続のプラスとなる20.0%増。気温の低下でコートなどの防寒商材が好調だったほか、成人式などのオケージョンアイテムにも動きがみられた。クリアランスではセール品に限らず、プロパー品も良く動き、幅広い選択肢の中から欲しいものを購入する選好消費の傾向がみられた。
身回り品は、急増するインバウンドがラグジュアリーブランドの売上げを伸ばし34.0%増で17カ月連続のプラスとなった。21.7%増で同じく17カ月連続プラスの雑貨は、高額品の好調に加え、化粧品の一部ブランドでは価格改訂前の駆け込みがあり、アイテム別の動向変化ではマスク着用緩和の流れを受けて、口紅などリップアイテムに需要が戻ってきている。
食料品は17カ月連続のプラスとなる11.9%増で、年始の食料品福袋が人気だったほか、帰省や年賀、インバウンドから菓子も好調に推移した。また、各社が企画した物産展などの催事も集客増加に寄与し、バレンタイン商戦は限定品をインターネット通販で先行販売するなどで堅調なスタートを切った。
(北田幹太)