2022年12月 東京・大阪地区百貨店売上高
16カ月連続プラス、オケージョンニーズや旅行需要で回復傾向に
日本百貨店協会の調査によれば、東京地区百貨店(12社・23店)の12月売上高は1767億円余で、前年比(店舗調整後)は8.0%増となり、16カ月連続でプラスだった。同協会は「ラグジュアリーブランドや宝飾品などの高額商材が引き続き好調だったほか、インバウンドの急回復に加えて、年末商戦も活況で商況全般を好転させた」と総括した。新型コロナウイルス禍前との比較では、消費増税の反動が残る19年比が1.0%増、特殊要因のない18年比では2.3%減と、ほぼコロナ禍前の水準に戻ってきた。
3カ月移動平均値は、直近の10~12月が10.3%増、9~11月が16.2%増、8~10月26.3%増、7~9月26.5%増、6~8月が21.6%増、5~7月が30.2%増。伸び率は鈍化しているものの、依然として2桁のプラスだ。
商品別では、主要5品目のうち、家庭用品を除く4品目がプラスとなった。主力の衣料品は15カ月連続のプラスとなる7.8%増。気温低下に伴い、コートなど重衣料が好調だったほか、クリスマスのギフト需要を受けてマフラー、手袋などの防寒用品にも動きが見られた。
身回り品は21.6%増で16カ月連続のプラスとなった。9.1%増で同じく16カ月連続プラスの雑貨は、冬期賞与の増額やインバウンド需要を背景に好調に推移し、19年と18年の実績を共に上回った。特にラグジュアリーブランドのバッグやアクセサリーが高伸長したほか、時計・宝飾品も好調だった。また、帰省や旅行の増加でスーツケースなど鞄類にも動きが見られた。
食料品は16カ月連続のプラスとなる3.2%増で、クリスマスケーキや帰省、御年賀用手土産の和洋菓子が好調に推移した。惣菜も人の集まる機会の増加からオードブルなどが人気だった。歳暮とおせちはほぼ前年並みで推移した。
(北田幹太)