2024年11月23日

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高島屋、バレンタインデーは独自性とサステナブルを深化

約20ブランドの特徴的な商品を披露した

高島屋は6日、バレンタインデー商戦で販売するチョコレートを報道陣に公開した。「日本初上陸」、「今年ならでは」、「高島屋ならでは」、「サステナブル」などをキーワードに、約20種類を展示。独自性をアピールした。バレンタインデー商戦は「アムール・デュ・ショコラ」と題し、インターネット通販サイト「高島屋オンラインストア」では6日に、店舗では25日から順次、それぞれスタート。店舗とネット通販の合算で前年比12%増の売上げを目指す。

日本初上陸はヴィーガンショコラで知られる「ファビアン・デアル」と「ラ・ロシェ」で、後者は珍しいレバノンのブランド。今年ならではとしては、「世界的な物価高で、フランスやベルギーのブランドが総じて値上げする中、値頃感のある商品を採り入れた」(森下由佳子MD本部食料品部バイヤー)。「シュタイナー&コヴァリク」、「ブラマルディ」、ラ・ロシェなどで、シュタイナー&コヴァリクの「高島屋限定ボンボンアソート」は4種・9個入りで2592円、「ブラマルディ限定ボックス」は6種・12個入りで2700円、ラ・ロシェの「高島屋セレクトボックス」は7種・7個入りで3024円と割安だ。

高島屋ならではとしては、「ヨハン・デュボワ」や「ジュリアン・デシュノ」、「イヴァン・シュヴァリエ」、「ファブリス・ジロット」などのブランドを訴求。中でもファブリス・ジロットは高島屋のみが扱う。新宿店では25日~2月3日に「ピエール マルコリーニ」が初めて手掛けるアフタヌーンティーを展開。1人前が6600円で、チョコレートをはじめ、牛肉のベルギービール煮やブルスケッタ、スコーン、カカオの果肉のピューレなどを楽しめる。

「ピエール マルコリーニ」が初めて手掛けるアフタヌーンティーは、新宿店限定

サステナブルでは、TeaRoom社と協業。廃棄される予定だったウイスキーの樽でつくり上げた「樽熟成紅茶」、荒れ果てた耕作放棄茶園で自然に育った茶葉を廃棄せずに再利用した「強焙煎ほうじ茶」、有機抹茶の3種類の茶葉を、「ブルガリ イル・チョコラート」、「モンサンクレール」、「トシ・ヨロイヅカ」、「ヴィタメール」、「メゾン ショーダン」、「KOBE CHOCO(コウベ チョコ)」の6ブランドがチョコレートに取り込んだ。

TeaRoom社と組み、サステナブルにつながる3種類の茶葉を使ったチョコレートを、6ブランドで販売

また、ガーナのカカオ農家や女性の自立を支援する「MAAHA CHOCOLAT(マーハ チョコレート)」のチョコレートに、華やかなエディブルフラワーを合わせた「花のチョコレート」(9種・9個入り、3845円)は高島屋限定だ。「エディブルガーデン」が提供したエディブルフラワーは、省エネルギー、省水で栽培し、農薬不使用という。

ガーナのカカオ農家や女性の自立を支援する「マーハ チョコレート」は、エディブルフラワーを組み合わせた高島屋限定品を用意。田口愛代表が会場でPRした

百貨店のバレンタインデー商戦は、新型コロナウイルス禍でも好調に推移。いわゆる「義理チョコ」の需要が大幅に減少する中、「自分へのご褒美」需要が押し上げ、トータルの売上げは増加基調が続く。

世界的な物価高を背景に、10%前後の値上げに踏み切ったブランドが少なくなく、勢いにブレーキがかかる可能性もあるが、森下氏は「3年ぶりに行動制限がなく、店頭にお客様が戻ってきている。それが伸び代になると期待する。ネット通販はずっと伸びており、売上げ構成比もコロナ禍前の約15%から約40%まで達した。店舗と異なり、全てのブランドを購入できるメリットをPRし、さらなる拡販につなげる」と意気込む。今年は店舗で前年比8.4%増、ネット通販で同18.9%増、トータルで同12%増の売上げを狙う。

(野間智朗)