2024年11月22日

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オイシックス・ラ・大地、規格外品らの“救済販売”が好発進

猛暑や豪雨、台風などの影響で生まれた規格外品や豊作品、外的要因で余ってしまい、通常の流通では扱いにくくなった食品を販売する「おたすけOisix」

食品のサブスクリプションサービスを展開するオイシックス・ラ・大地は、猛暑や豪雨、台風などの影響で突然発生してしまう規格外品や豊作品、外的要因で余ってしまい、通常の流通では扱いにくくなった食品を販売する「おたすけOisix」を8月2日に立ち上げた。サービス開始から10日で登録会員が1万人を超え、販売した8つの商品からなる「レスキュー野菜」は累計で2.1tに達するなど好評を博している。

おたすけOisixは、産地と密に連携しながら「もったいない」を減らし、買いやすい価格とすることで、産地にも家計にも優しい継続的なサービスとして展開。購入希望者はアプリによる通知で緊急販売情報を受け取れ、対象商品を購入すると販売価格の5%が次回以降の注文時に使えるポイントとして付与される。

沖縄県産の「サイズいろいろ ふぞろいオクラ」

レスキュー野菜については、沖縄県産の「サイズいろいろ ふぞろいオクラ」(150g、454円)は長雨の影響で小さくなったり、曲がってしまったり、実が多く発生したりしたオクラを、通常規格の1.5倍の容量で8月2日から販売。長野産の「水不足でまっすぐ育たない 曲がり高原きゅうり」(400グラム、同430円)は、高温が続き水分にばらつきが出て、曲がりが強く出たため販売先がなくなってしまったきゅうりを、通常の2倍で8月11日から販売している。いずれもなくなり次第、販売を終了する。

長野産の「水不足でまっすぐ育たない 曲がり高原きゅうり」

曲がり高原きゅうりの生産者、荒川洋一郎氏

曲がり高原きゅうりの生産者である荒川洋一郎氏は「今年は生育段階での猛暑があり、水分不足のため曲がりが強く、規格外品が多く発生してしまった。一般の販売店では真っ直ぐなきゅうりしか販売してもらえないため、売り先がなく困っている。実が締まったシャキシャキの食感と、えぐみのないどこまでも爽やかな味わいのきゅうりだ。こだわりの自家製堆肥、ぼかし肥料で土づくりをした圃場で育てたきゅうりを、ぜひ食べて頂きたい」と語る。

北海道産の「うどんの薬味になりたかった 爽やか青ねぎ」(70g、270円)は、通常よりも早く収穫することで薬味として爽やかな風味を感じられ、飲食店に出荷が予定されていた。しかし、作付け後にコロナ禍の影響で取引量が大きく減り、余りが出た。これを薬味だけでなく、炒めものなどにも使える青ねぎとして販売している

「〔Kit〕メイヤーレモンの桃モッツァレラサラダ」(2人前、1,393円)は、猛暑が長く続いた影響で生育が急に早まってしまった山梨県産の桃をKit Oisixのサラダメニューとして緊急販売した。

おたすけOisixでレスキュー野菜を購入した会員からは「自宅で食べる分には形や傷は気にならない」、「おいしい野菜がお得に食べられて助かる」といった声が多く寄せられる。オイシックス・ラ・大地は食品の販売だけでなく、食材の加工ノウハウを生かし、主力のミールキットやアップサイクル商品、レシピ付き商品へ拡大していく方針だ。

オイシックス・ラ・大地が展開している食品宅配サービス「Oisix」は、「つくった人が自分の子どもに食べさせられる食材のみを食卓へ」をコンセプトに、有機野菜や特別栽培野菜、保存料や着色料を使わない加工食品を取り扱うEC食品宅配サービス。会員数は35万650人(22年6月末時点)に上る。13年7月に販売を開始した、必要量の食材とレシピをセットし主菜と副菜の2品が20分で完成するミールキット「Kit Oisix」は、シリーズ累計出荷数が1億食を突破(21年11月時点)している。

(塚井明彦)