2024年11月22日

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創意工夫で社会貢献 企業の新型コロナ対策

新型コロナウィルスの蔓延により、商業施設は臨時休業や営業時間の縮小を余儀なくされている状態だ。しかしそんな逆境の中、各企業はコロナ禍に対する様々な取り組みを始めている。三起商行は、今秋に投入を予定していた、洗って使える子供用マスクの販売を早め、6日に発売した。川辺は、ハンカチを使って簡単に作成できるマスクの作り方を、SNSなどを通じて公開した。また資生堂や西川は在宅勤務を快適に過ごすための情報を発信するなど、各企業は自社の強みを生かして工夫を凝らし、人々の生活を支える。

三起商行 抗菌子供用マスク発売

新型コロナウィルスの感染拡大を受け、日本は慢性的なマスク不足に陥っている。それを受け様々な業種の企業がマスク生産に乗り出す中、子供服「ミキハウス」を展開する三起商行は、繰り返し洗って使える子供用マスクを6日に発売した。繊維メーカーのクラボウと共同で開発した、抗菌、抗ウイルス加工を施した生地を使用する。対象年齢は2~5歳。

 

マスクに施した抗菌・抗ウイルス加工「ピュアベール」は、繊維上にある特定の細菌の増殖や真菌の発育を抑制し、ウイルスの数を減少させる。洗濯耐久性にも優れ、家庭で50回洗濯を繰り返しても効果が持続する。

 

元々肌着や寝具での使用を想定して生地の開発を始めたが、細菌やウイルスに対する効果の高さから、マスクの商品化も計画。今秋発売を予定していた。しかし現在の状況を鑑み、急きょ発売を繰り上げたという。

 

三起商行の公式ECサイトで6日に発売したところ、在庫分はすぐに完売。今後も継続的な販売を予定する。

 

川辺 手作りハンカチマスク

△インスタグラムに投稿された動画は、16万回以上再生された(4月10日時点)

同じマスク不足に対して、川辺は、ハンカチを使用したマスクの作り方を発信した。ゴムとハンカチという身近なもので簡単にできるため、SNS上で情報が拡散され、反響を呼んでいる。川辺は2月18日、公式サイトにこの作り方をイラストでアップした。4日後インスタグラムに動画で投稿したところ、注目され急速に広まった。インスタグラムだけでなく、ツイッターなどでもシェアされ拡散した。

 

「マスクが無くなりそうで不安だったけど、安心しました」、「困っている人に教えたら喜ばれました」といった声が寄せられ、企業や小売店、市役所、病院、塾などから、「資料として使いたい」という要望も多かったという。

2月26日にはユーチューブにも動画をアップロードし、4月5日には字幕を英語にした動画もインスタグラムに投稿した。

川辺は「もちろん本物のマスク程の効果は無いが、飛沫の飛散を防いだり、顔を手で触る回数を減らしたりはできる。不足時に代用として、使ってほしい」とコメントした。

 

コーセー 保育園に無償で消毒液

一方で、不足しているのはマスクだけではない。手洗いやアルコール消毒の重要性も指摘される今日、消毒用のアルコールも品薄だ。これを受けコーセーは、保育園施設などにアルコール配合のハンドクリーナーを無償で提供する。4月中旬から随時行い、3万個以上を予定する。保育施設と取引のあるチャイルド社を通じて行う。

 

 

 

ハリウッド化粧品は、「アルコール消毒によって手の潤いが不足しがちだ」と感じている人が多いことから、同社の「気仙椿ハンドクリーム」を3月下旬に一般社団法人オーセンへ寄贈した。オーセンを通じて、東北で活動する女性へ渡す予定だという。ハンドクリームは、東日本大震災をきっかけに発足した、三陸地域で取れる椿油を使った商品を開発するプロジェクトから生まれた。素材の産地で頑張る女性に届けたいという想いから贈られた。

 

不要不急の外出自粛によって増えた、在宅勤務の人のために有益な情報を発信する企業もある。資生堂は公式サイトで、マスクで落ちにくいメイクの方法や、長時間家で過ごすときに肌と気持ちをリフレッシュするテクニックを公開した。

西川も公式サイトなどで、テレワーク中に乱れがちな生活リズムを整える、睡眠のコツを紹介する。

 

 

マスクをはじめとする衛生用品の供給や寄贈、知識の発信など、各企業は自社の強みを生かした活動を進める。ここで紹介したほかにも、百貨店の取引先企業では様々な取り組みが行われている。

 

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