2024年11月22日

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高島屋、新常態ならではのバレンタインを訴求

高島屋は6日、バレンタインデー商戦の本格化を控え、報道陣にテーマや代表的な商品を発表した。コロナ禍で迎える初めてのバレンタインデーという背景から、「リモート」や「非接触型」、「巣ごもり」、「医療従事者への支援」といったキーワードに合致するチョコレートを拡充。外出の自粛で全国的に需要が旺盛なインターネット通販サイトには、30のブランドから1粒ずつ選んで購入できる「お試しショコラ オンライン」を初めて展開する。百貨店業界では数年来、バレンタインデー商戦の売上げが伸び続けてきたが、今年は7日に東京、埼玉、千葉、神奈川の1都3県を対象とする、新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づく緊急事態宣言が発出。厳しい商戦が予想されるが、高島屋は「新常態」ならではのチョコレートの楽しみ方を提案し、前年実績の確保を目指す。

【写真】高島屋は1月6日、報道陣に代表的な商品を公開した

高島屋は例年と同じく「アムール・デュ・ショコラ」と題し、6日にネット通販サイトでバレンタインデー向けのチョコレート、約1700点の販売を始めた(店舗では27日から順次)。今年は「テレワークの浸透で義理チョコの需要が減る一方、コロナ禍では『大切な人に』というギフトニーズは増える。右肩上がりの『自分買い』(=自分用としての購入)も減らないだろう。店舗からネット通販サイトへのシフトは加速する」(古川泰照MD本部食料品部バイヤー)と想定。品揃えのポイントとして「ニューノーマル」、「サスティナブル」、「日本初上陸」、「気鋭・厳選」の4つを挙げた。

ニューノーマルでは、成長力に弾みが付いたネット通販サイトに、お試しショコラ オンラインが初登場。「ピエール マルコリーニ」、「ピエール・エルメ・パリ」、「パティスリー・サダハル・アオキ・パリ」など30のブランドから1粒ずつ選び、購入できる(6日の午前10時~26日の午前10時まで、6粒以上で注文が可能、1ブランドあたり3粒まで)。古川氏は「近年、少量を食べ比べてから本格的に買う傾向が目立つ。そのニーズに合致する」と勝算を明かす。

30のブランドから1粒ずつを選んで購入できる「お試しショコラ オンライン」

いわゆる「おうち時間」を充実させるチョコレートにも注力。富澤商店の製菓材料に、「ショコラティエ パレ ド オール」の三枝俊介シェフがセレクトしたチョコレートをセットにした「家で作るガトーショコラセット」(高島屋限定、税込み3996円)や「家で作るナッツとドライフルーツのサラミセット」(高島屋限定、税込み3780円)、「モンサンクレール」のトッピングで味を変化させられる「ピスタピスタ」(高島屋限定、税込み3240円)などを揃えた。

また、箱にメッセージを書き、切手を貼ってそのまま贈れる「ポストボックス クッキーズ」の「ミルクサンドクッキー」(税込み601円)をはじめとする“非接触型”、“リモート”での飲み会で映える動物の顔を模したチョコレートの詰め合わせ「ゴンチャロフ」の「アニマルショコラ コレクションW」(高島屋限定、税込み6480円)、“巣ごもり”による運動不足やヘルスケアに最適な「パラチノース」(=ゆっくりと消化、吸収される糖質)を使った「ロイスダール」の「ケーク オ ショコラ」(税込み2160円)などもラインナップした。

サスティナブルでは、医療従事者への支援や社会貢献などを重視。売上げの一部を日本赤十字社の活動に寄付する「メサージュ・ド・ローズ」の「ペタル・リナブルー」(税込み1836円)、障がい者の就業を支援する「クオンチョコレート」の「QUONテリーヌ2021スペシャルボックス」(税込み1620円)などを販売する。

売上げの一部を医療従事者への支援に充てるチョコレートなど「サスティナブル」にもフォーカス

日本初上陸では、台湾の若きオーナーパティシエ、テイ・ユケン氏の「YUショコラティエ」やフランスの「ミニャール」が名を連ね、気鋭・厳選では「ジャック・ジュナン」や「ヴァンサン・ヴァレ」、「ジュリアン・デシュノ」らをフィーチャー。それぞれでは高島屋限定も打ち出した。

日本初上陸の「YUショコラティエ」(左)と「ミニャール」

「ジャック・ジュナン」(左)や「ジュリアン・デシュノ」ら気鋭のシェフにもフィーチャーした

1都3県の緊急事態宣言は8日~2月7日まで続き、他の道府県への拡大も予想される。店舗でのアムール・デュ・ショコラについて、古川氏は「大幅に数字が落ちるのではないか」と危惧する。しかし、昨年は売上げが19年比で25%増を記録したネット通販サイトには伸び代が大きい。前年の1.5倍の売上げを目指し、店舗との合算で“前年超え”を達成する。