松屋銀座店が牛丼の松屋と初コラボ、開店100周年企画で
「神戸牛牛めし」(1100円)を手にする、松屋銀座店食品部食品一課弁当・総菜・催事係マネージャーの田中翔さん(右から2番目)と松屋フーズ商品開発部商品企画グループチーフマネージャーの熊谷雄樹さん(左から2番目)
5月1日に開店100周年を迎える「松屋銀座店」は、1年を通して様々なイベントを開催する。その第1弾が4月15日まで実施する「肉グルメが大集合!松屋のニク活 in GINZA」だ。地下1階の食品催場スペースに日替わりの4ブランドを含む10ブランドが出展し、弁当・惣菜売場の18ブランド、地下2階生鮮・グロッサリー売場の2ブランドも対象となる。今回の目玉企画は牛めしで知られる「松屋」との初コラボレーション。国産の食材にこだわった松屋銀座店の限定商品だけあり、初日の開店前から行列ができるほど賑わった。
開店前から行列ができるほどの盛況ぶり
1966年設立の松屋は、牛めしやカレー、定食でおなじみの飲食店チェーン。同じ社名を持つことから縁が生まれ、松屋銀座店食品部食品一課弁当・総菜・催事係マネージャーの田中翔さんから打診。19年から構想はあったが、コロナ禍の影響で一度は断念するも、100周年記念に合わせて6年越しに実現した。
パッケージも百貨店らしい高級感が漂う
「松屋銀座店は敷居が高いと思われているかもしれないが、まだまだ面白い企画や情報を発信しているんだということを伝えたい」と田中さんは今回の企画に対する思いを語る。銀座を代表する老舗百貨店の松屋銀座店と親しみやすい松屋の融合で新たな魅力を発信する。
限定商品は、「神戸牛牛めし」に「神戸牛牛めし肉大」、「国産黒毛和牛のうまトマハンバーグ」、「雪国育ちの濃厚トンテキ」の4つ。メニュー開発には1年もの歳月が費やされている。国産素材を使い、味にも調理法にもとことんこだわった。1日300食限りで、売り切れ次第終了となる。
左から「神戸牛牛めし」(手前は「神戸牛牛めし肉大」1700円)、「雪国育ちの濃厚トンテキ」(1300円)、「国産黒毛和牛のうまトマハンバーグ」(1300円)
「ステーキや国産牛のハンバーグはこれまで店舗のメニューに登場したが、ここまでのクオリティのメニューは初めての試み」と松屋フーズ商品開発部商品企画グループチーフマネージャーの熊谷雄樹さん。牛めしに使用する神戸牛は、脂のうま味を生かすために厚めにスライスし、余分な脂を落とすために少し焼いて煮込んでいる。ハンバーグに関しては焼き立てのおいしさを冷めた状態でも再現するために、肉の練り方、配合にも苦心した。トンテキは新鮮でやわらかく脂の甘さに特徴がある雪国育ちのブランド豚を選び、ジューシーさを損なわないよう配慮している。
熊谷さん自ら売場で神戸牛を焼く
どのメニューにも青森県産米の「まっしぐら」が使われているが、粒立ちが良く、ベタつかずタレどおりも良いからとのこと。「上位メニューを求める松屋の顧客と、百貨店のクオリティを求める松屋銀座店の顧客に響くこと」を願う熊谷さんは、イベント期間の1週間が楽しみだという。
地下1・2階は9日~15日、肉尽くしとなる
ほかにも銀座の老舗や初登場ブランドが多数登場する。1924年創業の「銀座吉澤」はA5ランクの松阪牛を100%使用した「松阪牛メンチカツ」(1個501円)を販売。千葉県の銘柄豚「林SPFプレミアポーク」を手焼きするチャーシュー専門店「ミートポーク山水」は松屋銀座店初出店だ。「秩父クチーナサルヴェ」など日替わりで登場するブランドも4店舗ある。
外はカリッ、中はジューシーな「金華豚の煎り焼き」(1パック1620円)。脂のうま味と少し甘めのタレが絶妙(画像はイメージ)
常設ブランドにもイベント期間限定の特別メニューが並ぶ。2時間じっくり煮込み、さらに油で揚げ、特別なタレで仕上げた「銀座アスター」の「金華豚の煎り焼き」は、常設店ならではの逸品。「銀座十石」「ローマイヤ」「とんかつ 和幸」からも渾身の一品が登場する。
(北野智子)