2025年1月 全国百貨店売上高
3カ月連続プラス、春節を追い風にインバウンドが活況
日本百貨店協会が調査した全国百貨店(70社・179店)の1月売上高は、4805億円余で前年比(店舗調整後)は5.2%増と3カ月連続でプラスとなった。前月から2.4ポイントアップした。高付加価値商材と衣料品、春節を中心に活況だったインバウンドがけん引した。初売りは、一部店舗で年始の休業日増により後ろ倒しを行ったものの盛況だった。食料品や衣料品、服飾雑貨などの福袋が人気だったほか、クリアランスではプロパー品も好調に推移した。各社が企画した外商催事や物産展、食品関連の催事も売上げと集客に寄与した。
インバウンドは、円安効果や前倒しとなった春節休暇(28日~31日)などが影響し、売上高は34カ月連続プラスで54.9%増の619億円、購買客数が59.1万人(48.8%増)で、いずれも先月に続き同月対比で過去最高となった。売上げに占めるシェアは前月より3.4ポイント拡大した。国内市場は3カ月連続プラスで、ラグジュアリーブランドや時計、美術・宝飾品などの高額品、衣料品が好調だった。
地区別では、大都市は7.0%増で40カ月連続プラス。8地区でプラスで、札幌(22.1%増)、京都(12.2%増)、大阪(8.9%増)、福岡(7.3%増)の伸び率が高かった。高付加価値商材とインバウンド消費がけん引した。婦人服・洋品、化粧品、美術・宝飾・貴金属、家電が2桁増となった。地方は前月より0.3ポイント改善したものの、0.8%減と4カ月連続でマイナス。エリア別では中部地区(9.5%増)を除いた6地区で減だった。美術・宝飾・貴金属が健闘し、雑貨は前年実績を確保した。
商品別では主要5品目のうち、家庭用品(0.6%減)と食料品(0.5%減)を除いた3品目がプラスだった。衣料品(7.3%増)は、紳士(3.7%増)、婦人(8.8%増)共に好調を維持し、子供服・洋品(3.3%増)も伸長した。コートなどの重衣料や防寒アイテムが動いた。雑貨(9.1%増)は40カ月連続のプラスで、依然として増勢が続いている。美術・宝飾・貴金属(16.0%増)は、オケージョンニーズもあり2桁増と高い伸びを示した。ラグジュアリーブランドのバッグ、時計、宝飾品などへの関心が高かった。化粧品(7.5%増)は35カ月連続プラス。国内外共に好調で、一部価格改定前の駆け込み需要もみられた。
食料品は、物価高騰の影響で苦戦が続き全体では7カ月連続のマイナスだったが、菓子(0.6%増)とその他食料品(1.7%増)はプラスに転じた。バレンタイン商戦は多様化する消費者ニーズを受け、各社が趣向を凝らして展開した。ウェブなどの先行販売や自家需要、限定品、イートイン、関連イベントなどが好調だった。