2025年1月 東京・大阪地区百貨店売上高
時計や宝飾などの高額商材が好調、食料品は苦戦
日本百貨店協会の調査によれば、1月の東京地区百貨店(12社・22店)は、売上高は1428億円余、前年比(店舗調整後)売上高は5.5%増と3カ月連続でプラスだった。年始の休業日増により営業日数が減った影響で、入店客数は11.4%減だったものの、売上高は初売りや春節による免税売上高の伸長がけん引した。重衣料・防寒アイテムや高付加価値商材が好調だったほか、各社企画の催事や上顧客向けのイベントも奏功した。
3カ月移動平均値は、直近の11~1月が3.1%増、10~12月が1.1%増、9~11月が0.5%増、8~10月が1.4%増、7~9月が4.8%増、6~8月が10.5%増だった。
商品別では、家庭用品(4.8%減)、食料品(3.9%減)を除いた3品目が前年を上回った。主力の衣料品(10.2%増)は3カ月連続のプラスで、コート、ブルゾン、ジャケットなどの重衣料や、セーター、マフラーなどの防寒アイテムが好調に推移した。初売りやクリアランスでのまとめ買いは減少傾向にある半面、必需品などはセール、プロパーを問わずに購入する動きが顕著だった。子供服・洋品(12.5%増)は、インバウンド需要が高く2桁増を示し、2カ月ぶりにプラスに転じた。
身の回り品(9.7%増)は41カ月連続のプラスで、ラグジュアリーブランドの好調が続く。春節効果でブランドの新作やスーツケースなどの旅行用品が高稼働した。婦人靴では、国内外共にカジュアルシューズやスニーカーが人気だった。
雑貨(9.3%増)は3カ月連続のプラスだった。美術・宝飾・貴金属(15.2%増)は3カ月連続のプラスで、時計や宝飾などの高額商材が動いた。一部ブランドの価格改訂前の駆け込み需要や、インバウンド需要もあり高伸した。化粧品(9.0%増)は41カ月連続のプラスで、春節(28日~31日)開始前から早期訪日客の購買が増え、引き続き活況だった。
食料品(3.9%減)は、物価高騰が響き7カ月連続で全品目でマイナスとなったものの、初商やバレンタイン催事は好調だった。初売りの食品福袋は、開店直後に完売。バレンタイン催事は、自家需要の高まりを受けた各社のイートイン強化策により、集客、売上げ共に好調に推移した。